関軒秀行 氏

【会長挨拶】 中浦政克 奥能登倫理法人会会長

【会員スピーチ】 河越邦夫氏 小松市倫理法人会会長

【講話】 関軒秀行氏 関軒建設株式会社・株式会社ベネホーム代表取締役 七尾市倫理法人会会長
   テーマ:「生きることに感謝」

七尾市に生まれ、御禊中学校、七尾高校同志社大学に進み、卒業後は関西の塗料メーカーに就職し、平成7年に帰郷後、現在に至ります。七尾市倫理法人会初代会長の山口成俊氏は同世代で隣の東部中学校出身で、中学時代は同じ陸上部でした。私の高校時代は推理小説やSF小説をたくさん読む普通の高校生だったと思います。
私は学生時代からあまり苦労もなく、大学を卒業して16年間サラリーマンとして名古屋で暮らしていましたが、平成7年の阪神淡路大震災の折に、人命よりも経済が優先される仕事の方向性が見えなくなり七尾へ戻り家業である建設業に従事することになりました。
それから間もなく私が38歳の時でしたが、頑固だった父親が肝臓癌で他界してその2ヶ月後に中2の娘が病気で亡くなってしまいました。小学校の時に鼻血が止まらなくなって以来血液の病気になり金沢大学病院に入院しながらも将来に備えて勉強を一生懸命していました。祖父の死に接した娘は「死ぬのがこわい」とそっと妻に告げた他には愚痴や泣き言をいうこともなく「みんなに迷惑をかけるのが悔しい」といつも周囲を気遣っていました。また、当時父が残した会社の負債を抱え、一度に奈落の底に突き落とされたような苦悩の日々でしたが、「幸せでいようね」「健康で暮らそう」など娘の遺書を心の支えにして私は、宅建の試験や建築士の試験を死に物狂いで勉強しました。亡くなっても、娘は私の中に生き続けていると思います。
やがて、業績も安定した頃に無理なダイエットから半年で10kg痩せたことで、うまくいかなくてだめだなあ。と思うようなうつ状態になり、死にたくなったこともあります。
様々な体験を通して、運やツキがないと商売の成功はなく、成功するためには学ぶことが必要だとつくづく思いました。人は生きて死ぬまで何をやるのか、死を前にしてどう生きるのか、そして、人はやさしくなければ生きる資格がないと思います。倫理を学ぶことにも繋がりました。
一流とは?例えば、野球選手の場合、清原選手は高校時代に数々の記録を作り、大物と期待されてプロ野球の世界に入りました。片や、イチロー選手の場合、高校時代は無名に近く、プロに入ってからの活躍の方が有名です。その意味では清原選手は高校時代にピークを向え、イチロー選手は今、まさにピークなのかも知れません。イチロー選手の場合、体格も恵まれていた訳でもなく、常日頃からの鍛錬と努力が今日の活躍の源になっていると思います。現在の大企業の中には、50歳を過ぎて起業された経営者の方も多く、年齢や実績等より、経営者の思い入れのようなものや考え方の方が大切なのかも知れません。
世界の幸福感を感じる意識調査で、1位はコスタリカ、2・3位はジャマイカキューバの中米の国が上位にあるそうです、その国々の方々の幸福感の理由はそれぞれ、治安の安定・医療の充実等を挙げられるそうです。日本と比較した場合、治安も医療も日本や欧米の先進国といわれる国の方が充実している場合が多く、人の幸せは人により感じ方が違いますが、本来は幸福感と言うものは物質的な事ではなく、幸せを探しに旅に出たチルチルミチルが自分の心の中に幸せがあることに気づいたように、心で感じる幸福感が一番大切なのではないかと思います。

【事務報告】松野克樹 副事務長