安原信治 氏

株式会社ハルテリベイマ 代表取締役
テーマ「地域活性化の為、復興の為、自分にできること」



会社のハルテリベイマはインド語を組み合わせた造語で「地元を愛し尊重する」と言う意味。

田舎暮らしがいやで高校卒業と同時に大阪の大学へ進学したが、いま振り返ってみると都会暮らしの憧れが強いだけで、田舎が嫌いなわけではなかったことに気づく。

能登半島地震がきっかけとなり、故郷の将来に危機感をもった。そして、会社を辞め能登のために頑張ろうと決心し、ぞれまでの仕事でも関わったITを活かしたオンラインショッピングを始めるが、初年度は生活ができるほどにはならなかった。

大手の会社勤めをしていた頃、転勤で全国の主要都市を転々としたが、能登の食に勝るところはなかった。大阪で暮らしていた時、スーパーで買った鯛の刺身を食べて吐いた事があった。店に苦情を寄せると、都会では一般的な刺身の鮮度であることが判明し、自分の故郷の食に改めて敬意と想いを寄せることとなる。

そこで、能登の美味しい素材を紹介することを生業とすれば、能登に貢献できるとの思いからオンラインショッピングを始めたが、売り上げが伸びずに居酒屋等を訪問し営業も行った。

努力の甲斐あってオンラインショッピングが軌道に乗った頃、門前の総持寺通りで「ランドマークカフェ」を開業した。ライトイタリアンのお店に行列ができることを夢見て開業し、今では地域の方々の憩いの場になっている。

地域の人どうしがおもてなしの姿勢がなければ観光客を迎えたり、地域の素材を紹介したり、本当のおもてなしができないのではないかと思う。

また、東日本大震災では大切な友人も被災してる。4年前の能登半島地震のこともあり、自分のできる精一杯の支援をさせていただいている。

さいごにサラリーマン時代はM&Aの業務に携わったことから会社の価値は社長の姿勢であったり、社員であったり、組織力であったり、アフターサービスであったりと様々な要素が商品となっていると感じた。そんな経験もあり、朝夕は鏡に向かって自分に問いかける。その日の評価は顔に現れる。良い顔でいられる自分であるよう、さらに器を磨いていきたい。

文:中浦政克

【今日の朝ごはん】