西出隆一 氏


【会長挨拶 中浦政克会長】
お盆に家族でお墓参りをしましたが、先祖のことを想い起こすとともに、子供達が今後どのように成長していくのだろうかと未来へと思いを馳せるひとときでした。
今朝は、太陽が昇るのが先週とは遅いような気がして、少しずつ季節の移り変わりを感じています。
倫理法人会に入会する以前から、子供達へ人に会ったら挨拶をする、食事の時には「いただきます」「ごちそうさまでした」と言うことや履物を揃えることなどを教えてまいりましたが、倫理に触れて、食事がいただけることのありがたみや、いのちをいただいていること食への感謝の思いなど、「いただきます」「ごちそうさまでした」の意味も教えることが大切だと感じています。
食糧自給率が1960年代は60%、70年代にはアメリカが大豆の輸出を制限したことによりヨーロッパでは自給率が上がったのに、十分な土地があるにも関わらず、現在の日本では40%を切っています。
私は、お菓子屋で柚子を使っていますが、地の利、気候、育て方などの条件に合った四国で作られています。生産者のお話はなかなか聴くことができませんので、貴重なお話になると思います。


【会員スピーチ 尾戸大介幹事】 
私が務めていますスーパーどんたくは、能登に10店舗ありますが、大量消費、大量廃棄を少しでも減らすように1年間に5%のゴミを削減しようと分別などさまざまな工夫に取り組んでいます。
東京大学農学部で農業を学び、30年間、旭が丘で農園を経営しておられる西出さんに農業についてのお話をしていただきます。西出さんの野菜はどんたくでも販売させていただいていますが、以前西出さんのトマトを「穴水トマト、能登トマトとして全国へ発信しましょう。」と話しましたが、「誰もついて来んわいね。」と一徹な頑固さを待った方です。


【講話 西出隆一氏】「農業は儲かるが、農家は儲け方を知らない」
          一の字農法 西出農園主宰 微生物利用研究家
この辺でもごぼうを作っていますが、気根になり売りものにならないようで、柚子も栽培しているようですが柚子の南限は敦賀(福井県)あたりで、ここではなかなか育ちませんし、遊休地でジャガイモを作っても、黒いビニールをかぶせると土の温度が23℃以上になり太りません。
農業の基礎知識がない為に全国の農家は、農業は儲からないと思っているようですが、やり方次第で農業は、所得率が60%もある儲かる仕事です。
石川県は、野菜、果実の自給率が47都道府県の内、44位で12%しかありません。
地質を変えることで、多収型圃場を作ることです。CECを30meに (人間で言う胃袋を大きくする) 上げることで簡単に解消されます。 9つの多量要素(窒素、リン酸、炭素、硫黄、カリ、カルシウム、マグネシウム、酸素、水素)と7つの微量要素(鉄、銅、亜鉛マンガンモリブデン、塩素、ホウ素)が必要です。
収量を上げるのは、米100kgに窒素2kgですから、600kgには窒素が12kgが必要です。
きゅうり1tには2.55kg、トマト1tには、2.95kg、いちご1tには4.65kgの窒素が必要です。
CECを30meに上げることにより、きゅうり1本の木から100本のきゅうり、ナス1本の木から200個のナスができ、ピーマン1本から400個のピーマンができます。農林省に地質を調べる機械がありますが、まったく技術指導することもないので、生産性が上がりません。方程式を学べば、誰でも一人前に農業ができます。
経営は人づくり、農業は土づくりです。
肉やうなぎの偽装がたくさん出ていますが、今のすいかは偽物です。連作障害を回避する為に夕顔やかぼちゃの台木の上にすいかの苗を植えます。土の中にある病原菌(ツル割病)の害を防ぐ為です。
連作障害という言葉は、技術のない学者が作りだした言葉で、土の中の微生物が1g中に数千万から一億匹いますが、土の中の病原菌(マウ・青枯れ病、褐色根ぐさり)を微生物(放線菌、バチルス・トリコデルマ・アスペルギルスなどの麹菌)によりCECを10meから30meに上げることができます。
病原菌をやっつけるために微生物による作物の自然治癒力で治します。
健康に育った作物は虫もつかず、農薬を蒔く必要もありません。
CECを10meから30meに上げるには、油カスの窒素は6%、魚粉の窒素は8%、米糠の窒素は2%、骨粉の窒素は6.5%リン酸が21%、やしがらはカリが50%含まれる粘土鉱物(ゼオライト等)の土壌改良剤を使います。
これらの製品には他に、三要素(窒素、リン酸、カリ)を含んでいます。
私の農場では、微生物により土壌改良していますので、台木を使うこともなく、農薬も使わず、毎年連作により作物を作っています。
先行投資は大きいですが、一旦30meまでCECを上げれば永久に地質は変わらないので、3年後には元金と利息が付いてくる貯金をしているようなものです。
農業は土づくりであることを若い農業者に教えています。
では、また今度・・・。