高野憲治 氏




講話者:奥能登倫理法人会会長 北日本自動車(株)代表取締役 高野憲治氏
テーマ:「ウチの事業継承」

今年度、奥能登倫理法人会会長に就任したばかりの高野憲治氏の講話は、ご自身の生い立ちから祖父母と暮らした金沢での学生時代の暮らしぶり、自動車屋さんの三代目として家業を継ごうと決意してから現在に至るまでを記した1枚のレジュメを使って高野家の人々の姿を赤裸々にご紹介いただきました。
中学を卒業後、ご自身の希望どおりご両親の住む穴水町を離れて、祖父母に深い愛情を注がれながら金沢で自由奔放に楽しく過ごした高校、大学時代のようでしたが、大学卒業後の進路は、穴水に住む父親からの家業を継いでもらいたいという電話を待っていたかのようにすんなりと家業を継ぐことを決意したことが、今、高校と大学受験目前の二人の息子さんを目の前に、当時の父親の心中がしみじみと伝わってくるようだと、先月お亡くなりになられたお父さまとの生前の想い出を噛み締めるかのように振り返りながら学生時代の様子を懐かしそうに話してくださいました。
お父さまが亡くなり、お母さまがひとり金沢で暮らしている様子を気遣うかのように、二人の息子さんも金沢でおばあさまと暮らすことを望んでおられるとか、子は知らず知らずに親の後ろ姿を見て育ち、親子が離れて暮らすという程よい距離感と祖父母を思いやる優しさを受け継ぎ、互いを氣遣いながら家族の愛を確かめ合い、より深い絆で結ばれながら、祖父から父へと受け継がれてきた事業、家業の継承について淡々と語られ、どこか大らかで屈託のない雰囲気を醸し出す高野さんですが、最も身近でかけがえのない存在である親子や夫婦、愛情に満ち溢れる高野家の人々の『高野流』家族の在り方を伺い知ることができ、朝からほのぼのとした気持ちにさせていただきました。

文:高名由美子

【きょうの朝ごはん】