五嶋躍治氏

【会長挨拶】 高野憲治副会長

【朝の挨拶】 尾戸大介幹事

【会員スピーチ】七尾市倫理法人会 福田事務長

【会員スピーチ】七尾市倫理法人会 橋向智副事務長

【講話 五嶋 躍治氏】�五嶋屋 代表取締役社長

『現代塗師屋事情』
五嶋と言う名前の由来は長崎の五島列島からで、祖先は九州出身と聞いております。

漆器の歴史は古く、縄文時代後期の遺跡より櫛が出土しております。漆器は日常使う生活用品(特に食器)を長持ちさせる為の工夫から生まれたものと考えられます。木椀や木の食器は水に弱く、腐ってしまいます。そのことを防ぐ為、また日持ちさせる為に木の上に漆を塗る事が漆器の由来と考えられています。

輪島塗の歴史は、室町時代の重蔵神社の朱塗扉が最古のものと言われています。能登には漆器にまつわる地名も数多く残っています。六郎木、漆谷等はその一例です。輪島塗の特徴は、「布着せ」と言われる木に布を貼り付ける事と「本堅地」と言う製作過程で漆と下地剤を調合しペースト状の物を重ね塗りし、その配合剤として地元の珪藻土を利用した事です。布は麻を使う事が代表的ですが、戦時中には入手が困難で新聞紙を代用したこともあるそうです。当然、粗悪品の部類です。

江戸時代後期には、堅牢で丈夫な輪島塗は全国的に使用されました。明治期に入り、需要も多くなりましたが、輪島塗の場合、小規模生産者が多く、資本が少ない事も重なり、他の生産地の物に押され気味となり、生産量は減少しました。このような状況の中、輪島塗は品質で勝負して行く道を歩んできたように思います。

現在は家具、家財道具、日用品等、食器や装飾品以外にもたくさんの物が輪島塗として生産されています。デフレ経済状況の中、試行錯誤をしながら出口を探している状況です。創意工夫を惜しまず、常にお客様が求める物を考えながら地道に輪島塗を作る事が大切な事と思います。


【進行】 辻由和副事務長

【事務連絡】 真酒谷浩文事務長

【誓いの言葉】市浜光晴専任幹事